2011年03月29日
密厳浄土(真言宗系)とは?
◎密厳浄土(真言宗系)とは?
密厳浄土とは大日如来さまを教主とした大悲胎蔵生曼荼羅(胎蔵界)と金剛界があり、その内の胎蔵界の世界は十三院に分かれ、数え切れない程の諸仏・諸菩薩・諸天王・諸明王さま達がおられて諸悪の根源を完全に断ち、清らかな浄土になっている。そうした清麗な胎蔵界のほとけさま達は、人間界の悪業の根源をやさしく優しく断ち、知らず知らずに善業に変えてくださる。そして、どのような薄福小徳の人も菩薩さまのように、身も心も清らかな美しさを有するようになり、再びこの世に生れて世に大きな貢献をし、そして人智の及ばぬ天命が尽きまた胎蔵界に帰り、今度は菩薩さまになって無上の幸せを得る事が出来る。
つまりその根本が胎蔵界です。金剛界は九つの会からなっています。ここにも大勢の諸仏・諸菩薩・諸天神がいて胎蔵界で育まれた人々をダイヤモンドよりも固い金剛の意思を持って悪から守ってくださる。
このようにして方便的に両界の記述を致しましたが、こうした守護のもとに何回か生まれ変わり、善行を積んだ人々が最終的に、西方極楽浄土と同じようにすばらしい密厳浄土に迎えられ永遠に最高の幸せを得るのでございます。
仏教大辞典を見ると密厳浄土とは、密厳教で説かれている大日如来の浄土のこと、密厳とは微密をもって荘厳する浄土の意であらゆる浄土の中でも最勝であるとしている。
密厳浄土略観に(それ密厳浄土とは大日心王の蓮部、遍照法帝の金刹、秘密荘厳の住処にして曼荼浄妙の境界なり、形大広大にして虚空に等同なり、性相常住にして法界に超過せり。十方の浄土を前裁となし、諸仏の妙刹を後園となす。万尊の身上陰陽に布列し、三身の依正乾坤に遍満す)とあります。
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