2011年03月28日
無勝浄土(禅宗系)とは?
◎無勝浄土(禅宗系)とは?
この無勝世界は、仏教の開祖であり天人師の総帥といわれるお釈迦さまを教主とする最勝の浄土なのです。
微塵の汚れもない澄み切った虚空に、ひらひらと宝相華の花びらが舞い、限りなく広大な聖地には、七宝に満ちた法樹が百千万億の葉を持っている。その微妙なる揺らぎによって奏でる妙なる音楽は、浄土に住する全ての天子の心に安らぎをもたらしている。
法樹には百千万億の美しい花が咲き、百千万億の宝珠の実がなって素晴らしい香りを漂わせている。
永遠の命を保った端麗な蝶や、絶妙な声で囀る美しい鳥が自在に飛び舞って遊んでいる。
西方極楽浄土と同じように壮麗で、清麗な無勝浄土は壮大な須弥山がいくつも聳え、おごそかな光明に包まれて、大勢の天女が羽衣をたなびかせ優美な舞を楽しんでいる。そして、ゆるやかな丘には初々しい緑の輝きが天地を照らしている様は、人智の及ばぬ風景です。その上、この浄土は四苦八苦が全くない為、人間苦や人生苦など微塵もないばかりか、この浄土に住む人は行きたい所には、瞬時に行ける神通力を持つことが出来るようになるので、我々の住む銀河の何十億倍もある壮大な浄土でも、自由自在に往来し楽しむことが出来る。
そんな素晴らしい仏国土がお釈迦さまのいる無勝浄土なのです。
次回:密厳浄土(真言宗系)とは?