2011年03月30日
霊山浄土(日蓮宗系)とは?
霊山浄土は、お釈迦さまが法華経を説いた霊鷲山のことです。
日蓮さまは「霊山とは本尊並びに日蓮等の類い。南無妙法蓮華経と唱え奉る者の住所を説くなり」といわれています。
この法華経の世界はお経本が示す通り、宇宙を網羅する壮大な思想です。例えば大曼荼羅に見る神仏の配座は首題を中心に頂部の左に釈迦牟尼仏、右に多宝如来、その左右に四士諸仏等を、四天王及び神仏がズラリと配座されている。太陽も月も入る須弥山思想は我々の住む地球も含む大銀河のスケール、その上、非想非非想天に至っては無限の広さという壮麗な浄土ということが示されています。
日蓮さまは過去遠遠劫の天人達の浄土・現在の浄土・未来の浄土総てを霊山浄土と教示して法華経信者の信仰と説かれたのでありましょう。
2011年03月29日
密厳浄土(真言宗系)とは?
◎密厳浄土(真言宗系)とは?
密厳浄土とは大日如来さまを教主とした大悲胎蔵生曼荼羅(胎蔵界)と金剛界があり、その内の胎蔵界の世界は十三院に分かれ、数え切れない程の諸仏・諸菩薩・諸天王・諸明王さま達がおられて諸悪の根源を完全に断ち、清らかな浄土になっている。そうした清麗な胎蔵界のほとけさま達は、人間界の悪業の根源をやさしく優しく断ち、知らず知らずに善業に変えてくださる。そして、どのような薄福小徳の人も菩薩さまのように、身も心も清らかな美しさを有するようになり、再びこの世に生れて世に大きな貢献をし、そして人智の及ばぬ天命が尽きまた胎蔵界に帰り、今度は菩薩さまになって無上の幸せを得る事が出来る。
つまりその根本が胎蔵界です。金剛界は九つの会からなっています。ここにも大勢の諸仏・諸菩薩・諸天神がいて胎蔵界で育まれた人々をダイヤモンドよりも固い金剛の意思を持って悪から守ってくださる。
このようにして方便的に両界の記述を致しましたが、こうした守護のもとに何回か生まれ変わり、善行を積んだ人々が最終的に、西方極楽浄土と同じようにすばらしい密厳浄土に迎えられ永遠に最高の幸せを得るのでございます。
仏教大辞典を見ると密厳浄土とは、密厳教で説かれている大日如来の浄土のこと、密厳とは微密をもって荘厳する浄土の意であらゆる浄土の中でも最勝であるとしている。
密厳浄土略観に(それ密厳浄土とは大日心王の蓮部、遍照法帝の金刹、秘密荘厳の住処にして曼荼浄妙の境界なり、形大広大にして虚空に等同なり、性相常住にして法界に超過せり。十方の浄土を前裁となし、諸仏の妙刹を後園となす。万尊の身上陰陽に布列し、三身の依正乾坤に遍満す)とあります。
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2011年03月28日
無勝浄土(禅宗系)とは?
◎無勝浄土(禅宗系)とは?
この無勝世界は、仏教の開祖であり天人師の総帥といわれるお釈迦さまを教主とする最勝の浄土なのです。
微塵の汚れもない澄み切った虚空に、ひらひらと宝相華の花びらが舞い、限りなく広大な聖地には、七宝に満ちた法樹が百千万億の葉を持っている。その微妙なる揺らぎによって奏でる妙なる音楽は、浄土に住する全ての天子の心に安らぎをもたらしている。
法樹には百千万億の美しい花が咲き、百千万億の宝珠の実がなって素晴らしい香りを漂わせている。
永遠の命を保った端麗な蝶や、絶妙な声で囀る美しい鳥が自在に飛び舞って遊んでいる。
西方極楽浄土と同じように壮麗で、清麗な無勝浄土は壮大な須弥山がいくつも聳え、おごそかな光明に包まれて、大勢の天女が羽衣をたなびかせ優美な舞を楽しんでいる。そして、ゆるやかな丘には初々しい緑の輝きが天地を照らしている様は、人智の及ばぬ風景です。その上、この浄土は四苦八苦が全くない為、人間苦や人生苦など微塵もないばかりか、この浄土に住む人は行きたい所には、瞬時に行ける神通力を持つことが出来るようになるので、我々の住む銀河の何十億倍もある壮大な浄土でも、自由自在に往来し楽しむことが出来る。
そんな素晴らしい仏国土がお釈迦さまのいる無勝浄土なのです。
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2011年03月27日
西方極楽浄土とは?
◎西方極楽浄土とは(浄土宗系)
阿弥陀如来さまがおわします浄土のことです。
この浄土は人間が住む娑婆世界より西方十万億土の先にあり、我々の住む銀河より何十億倍もある壮大な国とされています。
その廻りは四宝の樹木で輝き、金や銀の砂が底に敷きつめられている途方もない大きさの宝池があり、望む処には須弥山や宝楼閣が出来て、その上素晴らしい声でさえずる鳥や、どこともなく聞こえてくるなんとも表現のしようがない音楽、さらに百千万億の宝でおごそかに浄土全体が飾られている。
その上、清浄に光明は輝き気候は暑からず、寒からず、常に気持ちの良い春のように調和され、多くのほとけさまが在住し、さまざまな話をして心に悦びを与えてくださる。
この浄土には、あらゆる悪が全く無いはゆえに人間苦や人生苦もない。只、快楽のみがあると説かれています。詳しくは浄土三部経に事細かく説かれていますのでぜひご覧ください。
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2011年03月26日
各宗門の説かれる浄土とは?
浄土とは、煩悩で汚れあらゆる悪に染まっている娑婆世界に対し、ほとけさまの世界はいかなる悪にも染まらず清麗で壮麗なので浄土という。
仏教では十方浄土と申し、十方の方向に浄土はあると説いています。
その意味は、現実の世界に於いて人のその心次第で地獄にもなり、浄土にもなるという深妙な事ですが、ここではあえて各宗門の理想の仏国土として説かれている教典を重視して多くの人々に知られている西方極楽浄土の他に、代表的な浄土を須弥山思想を法則としたお仏壇を通じてご案内致します。
次回:西方極楽浄土とは?